Nanon(ナノン)
Tayが「こんなに」(=膝くらいの高さを手で表現しながら)小さい頃から知っている弟だと紹介していた通り、子役としてキャリアをスタートさせたNanon。数多くのテレビドラマやシリーズに出演し、現在は俳優・歌手・モデルとしてGMMTVを代表する存在となっている。
今回のタイフェスでは、キャッチーなリズムが印象的な「KNOCK KNOCK」を、MILKLOVEとコラボで披露。途中でNewがTayの手を引いて参加するなど、仲良しっぷりを見せ、ファンも一緒に歌って笑顔で盛り上がった。
Nanonは「今回はたくさんの曲を準備してきました」と伝え、Newを迎え入れてバラード曲「B612」を披露。その後、TayとはNanon出演の大ヒット映画『My Precious』のサウンドトラック「First Love」(NONT TANONT)を一緒に歌い、一曲のみの参加予定だったが、Nanonが次の曲も「Tay兄さんと歌いたい」と希望し、急きょ2曲参加することに。普段、なかなか一緒に歌う機会がないという2人だが、一緒に歌えることに感慨深げで、「小さい頃から見ているのにこんなに大きくなるとは・・・」と、日本語で「先輩!」とジョークを飛ばして笑わせる一幕もあった。
Nanonがギターを肩にかけると、ドラマ「Bud Buddy Series」の「Our Song」を披露。大切な人と過ごす日々の尊さを表現した歌詞と、家族のように仲が良いTayとNanonの関係性が重なるステージとなった。その後、2人ががっしりハグを交わし、「Bud Buddy Series」サウンドトラック「Just Friend?」のステージへ。Nanonのエモーショナルなギターサウンドと優しく柔らかい歌声に、ファンも口ずさみ手拍子をしながら聴き入っていた。最後に「ありがとうございまーす!」と日本語であいさつすると、大きな拍手に包まれながらステージを後にした。

bamm(バム)
PiXXiEと同じLIT Entertainmentに所属するbammは、2021年にデビューした男女3人のヒップホップダンスグループ。タイの若者を中心に人気を集めており、キャッチーでポップなサウンドとエネルギッシュなパフォーマンスで知られている。
熱い歓声が飛び交う中、代表曲「2cook2care」を一曲目に披露すると、会場は一気にヒートアップ。リズムに合わせて体を揺らす観客の姿に、メンバーも笑顔で応えていた。続いて披露された「Still?」は、リズミカルなメロディに思わず一緒に踊りたくなるようなナンバーで、会場の一体感をさらに高める。軽快なリズムが心地よい「Close Enough」を披露し、ミドルテンポの「Unfriend Zone」では、観客にマイクを向けると、タイ語にも関わらず完璧に歌いこなすファンの歌声にメンバーも驚きと感動を隠せず、「私たちの歌を歌ってくれてとても幸せ」と喜びを伝え、会場は温かい拍手に包まれた。さらに「次の曲は特別な曲」と紹介して披露されたのは、“恋の仕返しソング”としてユーモラスな歌詞が印象的な「Curse(Japanese ver.)」。「日本語の歌詞とボーカルのMangの透明感のある伸びのあるボーカルがマッチし、聴く人の耳に心地よさを届け、曲の合間に見せる茶目っ気ある表情や思わず真似したくなるようなダンスで、観客をさらに惹きつけた。
ラストはトロピカルポップの「Ploi Joy」。温かみのあるビートとリズムに乗せて、bammらしい明るさとハッピーな雰囲気が会場を包み込み、観客も一緒に歌って楽しみ、一体感が最高潮に。ファンからは「大好き!」という声援が飛び交い、笑顔と熱気にあふれたステージとなった。

PiXXiE(ピクシー)
LIT Entertainment所属の3人組ガールズグループPiXXiEは、2021年2月にデビュー。今年はタワーレコード渋谷店でのリリースイベントを開催し、日本のファンとの交流を深めた。
タイフェスでは、ギンガムチェック柄にハートが施されたキュート&セクシーな衣装で登場。熱狂的な歓声に迎えられ、キャッチーで色気のある「FEAT」を1曲目に披露すると、ファンのボルテージは一気に最高潮に。続けて、クールでしなやかな振り付けが印象的な最新曲「TOXIQUE」をパフォーマンスし、ファンを魅了した。
「こんにちは、PiXXiEです」と日本語であいさつし、たくさんの曲を準備してきたことを伝えると、観客の期待はさらに高まる。アコースティックサウンドが心地よい「Next Chapter」では、曲の終盤の歌詞を日本語で歌い、日本のファンを喜ばせた。続く、「Rain」では、しっとりとした歌声で会場を包み込む。
さらにPiXXiEは、日本のファンのためにもう一つのサプライズを用意。「♪PiXXiE、PiXXiE、PiXXiE、PiXXiE、PiXXiE、PiXXiE 愛してる!」と「一休さん」の曲に合わせてリズミカルに歌い、ファンを大いに盛り上げた。
ラストはエネルギッシュでアップテンポな「MUTELU」をダンサブルに披露し、ドリーミーでミステリアスな「DEJAYOU」では、妖艶さと力強さを兼ね備えたパフォーマンスで、会場を熱気に包み込んだ。
ファンから「大好き」と声がかけられると、メンバーも満面の笑みを浮かべて「大好き」と応え、日本のファンとの距離をさらに縮めたイベントとなった。

ドラマ「4MINUTES」(Jes、Bible、Bas、Fuaiz)
ドラマ「4MINUTES」は、事故をきっかけに「4分後の未来を予知する能力」を手に入れた主人公が、その能力を使って未来を変えようとするアクション、ノワール、サスペンス、SF的な要素を含むBLドラマ。タイフェスに初出演となる本作の主要キャストJes、Bible、Bas、Fuaizがステージに登場すると、黄色い歓声が会場に響き渡った。
タイフェスのMCを務めたパース・ナクンは、Bibleとドラマ「Kinn Porsche」で共演していたこともあり、「会いたかった」と再会を喜ぶ場面も。通訳と進行を担当してしながらも、ほぼ「4MINUTES」の一員に見えるほど和やかに進行した。
「日本に来ることができて嬉しいです」と喜びを伝えた後、彼らは歌のパフォーマンスも披露。ドラマ「Kinn Porsche」のサウンドトラック「Why Don’t You Stay」(Jeff Satur)を歌いながらステージを降り、ファンと至近距離で交流。会場は大興奮に包まれた。
初めて日本を訪れた際は「Kinn Porsche」の写真集で来日したというBibleは、「その時は時間があまりなかったが、今回は日本のファンに会う機会もあり嬉しい」とコメント。また、前日はしゃぶしゃぶを食べ、イベント後は寿司を食べに行く予定だとも明かした。
ここでは、マルバツゲームも開催。観客に向けて「Bibleはラーメンが好き。マルかバツか?」と問いかけると、ファンがマルを多く出す中Bibleもマルを選択。「Jesは納豆を食べたことがある。マルかバツか?」では、「納豆?」と名前を初めて聞いたような表情を見せたためバツを出す観客も多く、観客の予想通りバツ。「Fuaizは納豆を食べるのが好き。マルかバツか?」ではバツ。「Basは焼肉を食べるのが好き。マルかバツか?」との質問に、Basは牛肉を食べないという理由でバツを出すと、観客からは残念がる声も上がった。
マルバツゲーム以外に、メンバーへの質問を書いた紙が選ばれた人には、ドラマのCAT COUPLE DOLLがプレゼントされ、メンバーとの交流も深める温かいステージとなった。

NipponBoyz(ニッポンボーイズ)
「タイに来たらいいと思う」でお馴染みの日タイの橋渡しユニット、NipponBoyz。最近ではSNSで「ヤードム」と検索すると、彼らが上位にヒットするほど人気となっている。「タイに来たらいいと思う」というキメ台詞を生で聞けるともあり、ステージには期待の眼差しが集中。ブラックの衣装で登場した3人は、まっすぐな眼差しで「タイに来たらいいと思う」とあいさつすると、笑いと大きな拍手が会場を包み込んだ。
普段はタイに住んでいるメンバーたち。アメリカ人(母親が日本人)のルークが「やりたいことがある」とリョウタが代弁すると、「拍手~!せーの!」とチャンチャチャチャンと「笑っていいとも!」拍手で完璧に決まり、気持ちよさそうに笑みを浮かべるルーク。ルークの願いを叶えてからは、ここからが本番。タイのアメイジングな文化や日常を紹介してくれると前置きをすると、「ミュージックスタート!」の合図で、「タイでは朝寝坊をしてもとりあえず朝ごはん」、「タイではノンスウィートでコーヒーを頼まないと甘いが、ノンシュガーと伝えても甘い」など、スタイリッシュかつシュールな口調で観客の笑いを誘った。
続いて、歌を作ってきたと紹介して披露することに。心地いいリズムと柔らかな歌声に、観客も手拍子で乗っていたが、サビでは「♪だからヤードム鼻に詰めるよ~」と日本語で歌うと、クスリと笑いが起こった。曲の最後は鼻にヤードムを突っ込み、ステージ端から端まで歩き回って「鼻ヤードム」をしっかりとお披露目すると、なぜかルークとリョウタが互いにヤードムを交換して鼻に突っ込むというコミカルな仕草でさらに笑いを誘った。
ラストは真面目に、タイの人気ロックバンドGetsunovaの「どんなに遠くても近い」を披露。優しい歌声を届けたあと、「ありがとうございます!」とあいさつすると、大きな歓声に包まれながらステージを後にした3人。日タイをつなぐユニークで楽しいパフォーマンスの余韻が、会場中に温かく残った。

今年も豪華アーティストが登場し、観客と一体になって歌い、踊り、笑顔を交わす姿が印象的だった。音楽だけでなく、ドラマやキャラクターとの交流、ファン参加型のコーナーも充実し、訪れた人々にタイ文化の魅力を身近に感じさせる内容となった。
タイの最新カルチャーと温かい交流を存分に体感できるタイフェス。ステージで見せるアーティストたちの笑顔や、観客と一緒に盛り上がる瞬間は、まさに「歌って笑って食べて楽しむ」タイフェスの醍醐味だと改めて感じさせる2日間だった。


