【レポ】今年も開催!「ダイナースクラブ フランスレストランウィーク2023」

13年目の開催となる、誰でも気軽に、おとくにフレンチを楽しめる、国内最大級のフランス料理イベント「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク」。
今年は9月22日~10月15日の24日間の開催が決定。
食欲の秋に見逃せないこのイベントはダイナースクラブの会員でなくてもリーズナブルな価格でフレンチの特別コースが楽しめる。
今年のテーマは『パリのビストロメニュー』!

開催に先立ち、プレス発表会が開かれ、当TOCpressも参加した。

初めに登壇したダイナースクラブ 三井住友トラストクラブ株式会社 五十嵐幸司代表取締役社長 は、「関係時の皆様と若手シェフの応援、食育、SDGsなど様々な企画に取り組む良い機会のイベントと捉え、皆様と共に盛り上げていきたい」と挨拶した。

ダイナースクラブ フランスレストランウィーク事務局 ジャン フィリップ・ザーム事務局長は、集まった記者や開催のキンプトン東京のチーム、全てに感謝を述べ、「日本とフランスは美食の面で非常に繋がりが深い。それぞれの食文化は全く異なるが美食や高品質な食材への共通の情熱が絆を深めていると思う。今年のフォーカスシェフの皆さんがその証と考えています」とのこと。

今年も北海道から沖縄まで500ものレストランが参加。
和食材を使ったフレンチを堪能、日本の食文化を応援する。
8/10にはイベントオリジナルお弁当BOXのオンライン販売もスタート。

続いて、ダイナースクラブ フランスレストランウィークが注目する、次世代を担う旬なシェフたち6名が登壇。

◆フォーカスシェフ◆
【北海道】ルアン NIPPONIA HOTEL 函館港町 齋藤 寿樹氏
コニシカズトさんという生産者さんをリスペクト、道南地区にある駆除鹿にフォーカスを当てて取り組んでいくそう。
【岩手県】フランス料理 モン・フレーブ 菊池拓紀氏
日本のガストロノミー発信の地と注目される東北から、季節感と素材の活かし方を大切に、岩手県の良さを表せるよう意識。ソースに特にこだわる。
素晴らしい素材と生産者さんを皆さんに知っていただき、地産地消から地産外消を目指す。
【東京都】オウパセズ 十楚武志氏
料理人歴22年、食を通して 年間を通して石川県のたかさんの能登の土で育った味わい深い野菜を扱う。イベント期間は季節感のある食感、素材の組み合わせにも注目をして頂きたい。
誰がどのような思いで生産しているのか、を伝えたい。
生産者さんとの絆を感じる料理が提供される。
【京都府】ル ロクジアン堀口 学氏
皇帝料理人の経験がある。
世界のモダンクラッシックの技術をもつ。
忘れられない味覚体験、がコンセプト。ひとつひとつの食材に向き合う。
今回はイシウラさまが作った山椒を使いたい。
通常廃棄する食材を使い、センスを用いて提供する。
【福岡県】高宮庭園茶寮 藤一輝氏
九州各地の食材や旬の食材を使い、九州里山キュイジーヌというジャンルを確立する。
食材の良さを最大限に活かした料理を提供。ら
ならはら菜園の野菜の味付けは土がする、をモットーとした野菜を使う。
大正時代に建てられた建物は窓から見える庭園で開放的な食事を楽しめる。
【沖縄県】エゾンス 高坂 星也氏
好奇心と変化を軸に、料理は常に変化するものということを踏まえ、食材は沖縄県の中でほぼ賄う。
食材はホテルの中で循環
沖縄県のおおしろさんという生産者さんを尊敬。微生物を扱い、廃棄の食材から自然農法で食物を育てている。日本人には無い味覚のセンスの違いを留学で学んだので、それをコースに盛り込んで、沖縄でしか味わえないフレンチを展開する。

続いて、スペシャルゲストが登場!
かつてフランスに亡命した経歴のあるデヴィ・スカルノ夫人は、普段とはガラッと印象の違うパリジェンヌのような、軽快なお衣装。
「モンテーニュに住んでいた頃、ホテルの真ん前にアラン・デュカス氏のレストランがあり、そこでお目にかかっています」とのこと。
「フランス人全員が肝臓がんになるのでは?と言われるほど昔は重い料理だったが、現在ではかなり変わっていると思う。フランス料理が日本に来たのは明治時代、日本はフランス料理に大きな影響を与えている。マキシム・ド・パリのシェフが日本のお料理屋さんに招かれ、アーティスティックに、芸術的に盛られた料理を見て革命的な衝撃を受けたそう。日本料理のプレゼンテーションの美しさ、ひと皿ごとは少なく提供数は多く、旬の食材を使われていることに感銘を受けた。そこから今のクリエイティブなフランス料理が生まれた」とその歴史を説明。
カジュアルなウェアでテリーヌやポタージュ、ラヴィエやムニエルなどシンプルなお料理を食べるのも好き!だそう。

それを受けて、レストランウィークではメニューで検索もできるので、デヴィ夫人がお好きな料理もぜひ検索して見てほしいと司会から案内があった。

さらに、フランスの人気レストランでのエピソードへ。
「人気店ではなかなか入れず、端の方の席はアラスカと呼ばれていたそう。ビストロは5~6年で違うお店が流行るのでその時代時代ごとに好みや流行があったように思う。食材は地球に優しく、人に優しく、を考えなければならない。インドでは全部豆からできているのを聞いて驚いたこともある。
日本ではお豆腐や納豆などからもプロテインをとっていたが、日本の人は昔15~30分で食事を済ませていた。
フランスでは会話や情報交換があったり、3時間くらいかけていた。
生活のレベルをあげたり、社交につながったり、生活習慣とするのは素晴らしいことだと思う。」

ダイナースクラブ レストランウィークの要項を見て、「このお値段で美味しいお料理がいただける、ご家族でも一緒に行ける素晴らしいイベントだと思う」と語ると共に「お支払いはぜひダイナースカードで」と会場を笑わせる一言で〆た。

このイベントの発起人でもあるアラン・デュカス氏は、「私がこうしてここにいるのは日本に対して大いなる情熱を持っているからです。デヴィ夫人にお話を頂いて大変嬉しく思っています」やはり、日本とフランスの共通点は食や食文化への関心の高さだと思う。食べることは運命的な出会いであり、文化ですと話す。

フランスの伝統的な料理を日本でも、世界でもオーセンティックなままにシェアしたい思いでレストランを展開。

伝統と、同時に進化し続けるモダンな要素も取り入れた共存料理を提供。
料理人という仕事はジェネラスに共有するのが仕事で、シェアする気持ちがなければ料理人にはなれない。
まさしく、ダイナースクラブ フランスレストランウィークというイベントはより多くの方と美味しさを共有するイベントであると述べた。

さらに、若いシェフらについても「数多くのサポーターであるシェフが駆けつけてくれている。こうして集ったことは偶然では無い。特にこの場を借りて三國シェフにはお礼を言いたい。」と付け加え、続けて「自分が健康であるためには地球の健康を考えざるを得ません。海で、どのような魚をどこで釣るか動物以外の良質なプロテインをどう摂取するか生産者が自分の仕事で食べていくためでもある。今日の料理人は社会に帰依する人でなければならない。食べて美味しいと感じる前に、考える対象にしなければならない。全世界のみなさん一人ひとりが、より良い食事が食べられるように考えなければならない。これは今日の料理人が約束し、追うべき責任です。分かち合う喜びは運命的な行為。食事をするということは心が離れていてもテーブルを囲んだ時にはひとつになる。社会的な、交流として重要なひとときになる」と熱い想いを語った。

2人のトークセッションで、日本とフランス料理の繋がりがより深いものに感じられた。

ザーム事務局長からはデヴィ夫人へイベントオリジナルコックコートをサプライズプレゼントする場面も。

フランスレストランウィークの開催は9/22~10/14。
ぜひおとくにフランス料理を楽しもう!

 

取材/text&photo:あんよ

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