
お笑いコンビ・千鳥(大悟、ノブ)の単独ライブ『千鳥の大漫才2024』が、11月2日(土)になんばグランド花月で開催されました。千鳥による単独ライブは実に2年ぶり。4本の漫才だけでなく、毎度好評の大悟発案のオリジナル芝居「大悟道」も上演。ダイアン(ユースケ、津田篤宏)やネゴシックス、天津飯大郎といったおなじみの顔ぶれに加えて、女優・モデルの井桁弘恵が出演。ジャングルに暮らす動物たちをテーマにした壮大(!?)な物語で、客席を爆笑の渦に巻き込みました。
出囃子が流れたとたん、期待する気持ちが押さえ切れずにどよめく客席。もちろんチケットは完売です。2人が姿を現し、サンパチマイクの前に並んだ途端、会場は万雷の拍手と歓声に包まれました。大阪での開催ということもあり、大悟が「“ただいま”……なのかな?」と口火を切ると、すぐさまノブが「ダサいですね~!」とツッコミを入れてお客さんは大笑いです。
漫才4本を披露し、その幕間に上映されたブリッジVTRもワクワクさせる内容です。単独ライブに向けて、タイトルや出囃子、演出などにこだわりたい大悟は、どんどん独特なアイデアをノブに提案していきます。それに対して取りこぼしなくツッコんでいくノブ。そのVTRの内容と漫才が絶妙にリンクしていて、どんどん笑いが増幅。4本目の漫才の最後には、盟友である笑い飯がこれまでにない斬新な形で出演(!?)しました。
後半は、お待ちかねの「大悟道」です。今回も相当の力作のようで、大悟は改めてノブに「大悟道はずっとやっていくよ」と宣言。また、今作について “山本大娯(作・演出)”こと大悟は「今回はメッセージが強いかな。地球規模」と含みを持たせて告げます。「演出・監督に力を入れてるから、わしが主役じゃないかも知れん」とも。しかし、ノブは「お前がいつもしゃしゃり出て、一番いいところを全部持っていくだけ」と警戒の姿勢を崩しません。この言葉を「わがままは……もうええでしょ」とNetflixで話題のドラマのセリフを引用しつつ受け流す大悟ですが、はたして……?
今回も、ノブは客席でお客さんと一緒に鑑賞。ノブによる「大悟道、お願いします!」の掛け声とともに、壮大なBGMが会場に響き渡ります。タイトルは『ジャングルキングダム~星降る動物王国』。舞台はとあるジャングルの王国。その国の王になろうとする一匹のライオンと、その仲間である動物たちが暮らす楽園に忍び寄る密猟団の影……。さっそくノブから「ライオンキングの丸パクリやん!」とのツッコミが響き渡りました。
大悟が演じるのは、ジャングルの王子でライオンの“ダイオン”。その仲間である動物たちを演じるのは、「大悟道」でおなじみのメンバーからゲストの方まで、豪華な顔ぶれがそろいます。チンパンジー役をダイアン・津田、スカンクは天津・天津飯大郎、そしてマンドリルをネゴシックス、キリンをライス・関町。そしてダイオンの幼馴染で、美しいホワイトライオンとして、モデル・女優の井桁弘恵さんが出演!
さらに、ダイオンが暮らすジャングルの隣国の動物たちも見逃せません。王のライオンをランジャタイ・国崎、王の子分のハイエナはちゃんぴおんず(日本一おもしろい大崎、大ちゃん)、一匹狼に川畑泰史。ジャングルの王国を狙う密猟団のボスにFUJIWARA・藤本、密猟団の仲間3人には青年座の俳優の方々。さらに密猟団が乗車する車の“車の精”をダイアン・ユースケが熱演しました。
まさしく大悟の予告通り、メッセージがそこかしこに散りばめられたストーリーで、動物たちのダイナミックな生き様や恋模様、さらには野生動物たちを脅かす密猟から、減少の一途をたどる自動車生産量まで……。そんな大悟が伝えたかったメッセージを、演劇だけでなく、新喜劇やミュージカル風の歌とダンス、バラードの熱唱などで表現していきます。ランジャタイ・国崎の、ここでしか観られないであろうシリアスすぎる芝居をはじめ、ダイオン扮する大悟らと仲間たちが客席で繰り広げる迫真の演技、さらには川畑と国崎、ちゃんぴおんずというレアな組み合わせのシーンも飛び出します。そんな名場面の数々を客席で見守っていたノブは、「学芸会やん!」「どういうメンバーやねん!」など、惜しみなく鋭くツッコんでいました。クライマックスでは、お客さんたちがスマホのライトで演出に協力するという、演者とお客さんがひとつになる瞬間も。今回も、大きな笑いあり、細かな笑いどころも詰め込まれた「大悟道」となりました。
最後のカーテンコールまで客席が大爆笑に包まれた、2年ぶりの単独ライブ。「メッセージ、伝わったかな?」と最後まで「大悟道」の出来栄えを気にする大悟に対して、ノブが「漫才をやらなあかんねん!」とツッコんでいました。



